和食と塩分―知っておきたい減塩のコツ
和食とは、日本人になじみの深い食材を用いて整えられた、伝統的な主食・主菜・副菜がそろった食事のこと。栄養バランスが整えやすく、低脂肪・低カロリーであるため、生活習慣病の予防には最適と言われています。
その一方で、醤油や味噌を使用することが多く、塩分の高い料理が多いのも特徴です。では塩分の摂り過ぎを控えるためには、どのような工夫をすれば良いのでしょうか?
おいしく減塩するためのコツ
減塩というと、“物足りない”“美味しくない”というイメージがありますが、コツをおさえれば大丈夫!塩分が控えめでも、よりおいしく食べられる調理の工夫をご紹介します。
1. 味噌汁は具だくさんにする
和食と言えば、欠かせないのが味噌汁。野菜や豆腐などの具を多くすることで、汁の量を減らすことができます。また、野菜やいも類に多く含まれるカリウムには、摂り過ぎたナトリウムを排出する働きがあります。
2. 塩のかわりに、酸味・香り・出汁をきかせる
酸味・香り・出汁を効かせれば、塩分控えめでもおいしく食べられます。酸味のある調味料の代表がお酢。柚子やかぼす、すだちなどの柑橘類は、豊かな香りと爽やかな酸味が、鍋料理、焼き魚などの和食に良く合います。わさび・しそ・ごま・にんにく・しょうが・ねぎ・みょうがなどもオススメです。また、旨みの効いた出汁を利用することは、減塩にもなり、味わいも深まります。
3. 塩の使い方にメリハリをつける
しっかりした味付けのものは一品に、その他は薄味にし、献立にメリハリをつけましょう。旬の食材や新鮮な食材は、薄味でも素材の味を生かして美味しく食べることができます。
このように、ちょっとした工夫で塩分の摂り過ぎを防ぐことができます。和食の良さを生かしながらおいしく減塩し、むくみや高血圧を予防しましょう!
(テキスト: 尾上 雅子)
参考資料:
中村 丁次 (2010)「栄養の基本がわかる図解事典」(成美堂出版)
足立 香代子 (2013)「足立香代子式栄養診断と健康食のルール」(枻出版社)
『農林水産省』「日本食文化」http://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/culture/mokuji.html