きのこは洗う?洗わない?適切な下処理と保存のポイント
一年を通していつでも食べられる、きのこ。野菜ではなく菌類に属します。春と秋が旬の食材ですが、スーパーで売られているものは人工栽培が多いため、年間を通して販売されています。種類も多くメニューに気軽に使えるので、定番食材として利用する方も多いでしょう。
今回は、スーパーで売られているきのこの適切な下処理の方法と保存する際のポイントを紹介します。
基本的に市販のきのこは洗わなくてよい!
例外もありますが、スーパーで市販されているきのこは衛生管理された室内環境で栽培されているため、基本的に洗う必要がありません。一方洗ってしまうと風味やうま味を損なうばかりか、水に触れることで劣化が早くなります。
「洗わないと、農薬が残ってしまうのでは?」と気になる方もいるかもしれません。日本ではきのこを無農薬で栽培している農家が多く、使用している場合でも農薬の質や量が定められ厳しく管理されているため、あまり気にする必要はないでしょう。
しいたけやしめじ、まいたけなどに、白いふわふわとしたカビのようなものがついていることがあります。これは「気中菌糸」というきのこの一部で、きのこを形成する菌糸が伸びたものなので、取り除く必要はありません
本当にカビが発生した場合は、きのこの色が緑や青に変色し、異臭やぬめり、水っぽさが出ます。この状態は腐敗してすでに傷んでいるため、速やかに廃棄しましょう。
洗わないと汚い?きのこを洗った方がよい場合は?
例外として、洗った方がよいきのこもあります。
サラダに使う生のマッシュルームやなめこ、生きくらげ、はなびらたけです。粘りのあるきのこは中に汚れが残りやすいことや、生で食べる場合は汚れがついたまま口に入れる可能性があるため、水で洗い流してから調理しましょう。
また、山で収穫された天然のきのこは、土や砂の汚れがついているため水で洗い流します。さらに、虫がついていることが多いため、濃度1~4%の塩水に15分ほど漬けて虫を取り除く「虫出し」という作業が必要です。
スーパーでよく見かける、市販のきのこの下処理
しいたけ
「冬菇」は寒い時期に育ち、肉厚なため煮物や炒め物に向いています。「香菇」は冬菇・香信の中間にあたり、贈答品に使われることで知られ、「香信」は平らで身がうすく、干ししいたけでおなじみです。肉の厚みや歯ごたえを重視するのなら、「冬菇」がおすすめです。
かさのうす切り、そぎ切り、柄のうす切り、角切りなどさまざまな切り方があり、根元の石づき以外余すところなく使えるのがしいたけのよさです。煮物や炒め物のほかに、フライパンで焼いてしょうゆをたらすだけのシンプルな食べ方も楽しめます。干ししいたけの場合は戻して、うす切りやみじん切りにして使いましょう。
しいたけの汚れをふき取ったら石づきを切り落とし、かさと柄に切り分けます。
かさは、ひだを下にして切っていきます。
柄は繊維に沿って縦に切りましょう。
角切りにする場合は、縦半分に切り、1cm角に切ります。
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えのき
小さなかさで柄が細長い姿をしているので、どこまで食べられるのか迷う方も多いかもしれませんが、根元の菌床部分を切り落とせばすべて食べることができます。
根元の菌床部分と白くなっている部分の境を目安にして切り落とします。
根元の線が入っている部分は栽培時の容器の線なので、間違えないようにしましょう。
菌床部分を切り落としたら、根元部分をほぐして使います。
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しめじ
ひとつの株にたくさんのかさがついているので、手で2つにわけてから、石づきを切り落とします。
使い方に合わせて、かたまりで裂いたり1本ずつ裂いたりしましょう。
包丁を使うのは石づきの硬い部分のみにし、手で裂く方が味がしみ込みやすくなります。
料理によっては小さく刻んで使うこともあるでしょう。
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まいたけ
まいたけにはたんぱく質分解酵素「プロテアーゼ」が多く含まれています。茶わん蒸しに入れる際は、この酵素の働きによって固まらなくなるのを防ぐため、まいたけは先に加熱してから入れるようにしましょう。
エリンギ
うす切りにするときは縦にうすく切ります。
手で裂くときはかさの下の部分を持って縦に裂きましょう。
角切りにするときはかさの下を切り、かさを4等分、残りの部分を縦4等分にし、1cm幅に切ります。
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マッシュルーム
土がついている石づきを切り落とします。
かさの部分はかさを上にしてうす切り、2等分、4等分と縦に切りましょう。
厚さをそろえるのがコツです。
※サラダなどで生のマッシュルームを使用するときは、キッチンペーパーで汚れを拭き取るか、汚れが気になる場合は軽く水洗いをしましょう。 水洗いをする場合は、マッシュルームが水を吸わないよう手早くすすぐことがポイントです。なお、マッシュルーム以外のきのこは生では食べられないので注意しましょう。
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使いかけのきのこ、最適な保存は?冷凍できる?
長期保存する場合は冷凍保存をおすすめします。洗う必要のないきのこはキッチンペーパーやふきんで軽く汚れをふき取り、水洗いしたときは水気をよく切ってから、下処理をしたうえで冷凍可能な保存袋に入れて冷凍庫で保存しましょう。保存期間は約1か月。ただし、なめこは長持ちしないため、2週間程度が目安となります。
調理をするときは解凍せずにそのまま使えます。自然解凍すると臭みが出て味が落ちたり、水っぽくなったりするため、そのまま加熱調理しましょう。
きのこは冷凍保存するとうま味がアップします。煮物やスープに使う際は、水の状態から入れて60~70℃で酵素が働くのできのこがよりおいしくなります。