授乳とダイエット、どんな関係?
産後のママにとって気になる「ダイエット」。「授乳中は母乳のおかげで痩せるから平気だよ」なんて話を聞いたことがある方も多いのでは?そう言われるのには理由があります。
赤ちゃんのごはんとなる母乳は100g当たり65kcalあります。(※1)個人差の大きいものですが、1日で800㏄近くを飲んでいるのでママは1日に約500kcalを母乳によって消費しているのです。(※2)このように授乳中は消費するエネルギーが多くなるため、摂取エネルギーを上回って痩せやすくなります。
ここで1点注意です。母乳によって消費するエネルギーよりも多く食べていると当然痩せにくくなります。授乳しているのになかなか痩せない・・・という方は、食べ過ぎている可能性もありますよ。
授乳期のダイエット法
ダイエットと言うと、食事制限や運動が思い浮かぶと思います。ですが、産後は体力が落ちている上に育児や母乳を作るためにエネルギーを消費しているため、無理なダイエットは禁物です。3食しっかりと食べることを基本に、食事の質を考えてバランスの良いメニューにしましょう。また、産後1ヵ月を過ぎてから体調を考慮しながら少しずつ体を動かすようにしてみましょう。
産後ダイエットを始める時期についてはこちらの記事もチェックしてくださいね。
どんな食事にすれば良い?
バランスの良いメニューとはどんなものでしょうか。まず授乳中のママに心がけて欲しいのは、色々な食材を食べることです。炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルが摂れるようにしてみましょう。
主食、主菜、副菜、汁物と揃った一汁三菜が理想的ですが、産後は忙しくなかなか食事作りに時間をかけていられないと思います。そんな時には、ごはんと具だくさんな味噌汁だけでもOKです。野菜以外に魚や大豆製品、脂肪分の少ない肉も入れると栄養価もUPします。野菜では母乳の分泌を促進し、体を温めてくれる根菜類が特におすすめです。
授乳がダイエットに繋がることもありますが、痩せることに気を取られ過ぎてはいけません。ママがしっかり栄養を摂って、赤ちゃんの成長のためにもおいしい母乳を作ってあげましょう。
※1「食品栄養データベース(文部科学省)」
https://fooddb.mext.go.jp/index.pl(2017.2.23アクセス)
※2「日本人の食事摂取基準2015(厚生労働省)」
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000042642.pdf
(テキスト: 管理栄養士 上野 知佐)