仕事後すぐにおいしいご飯が食べられる!簡単&時短&栄養バランス抜群のレンジ蒸し
幼いころから、共働きで忙しい両親のサポートをつづけてきたことで、家事能力抜群の七穂は、実家から独立し、家事代行サービス「KAJINANA」を立ち上げて奔走する日々。
母の入院を知って急遽実家に戻った七穂がつくる、帰宅後すぐに食べられる絶品レンジ蒸しのレシピを、ストーリーとともにお楽しみください!
★前回の記事「新じゃがの季節に食べたい! おいしい料理描写が話題の小説に学ぶ、絶品肉じゃが」はこちら
家事代行サービスを営む主人公が教える、おいしいレンジ蒸し
「ただいま」
「おかえり七穂。先に始めてるぞ」
背広からスウェットの上下に着替え、七穂があらかじめ作り置きしておいた夕食を温め直して食べている。
「なかなかうまいな、この豚の包み焼き」
「包み焼きって言うか、レンジ蒸し? お客さんにも好評だから、味は悪くないと思うよ」
「肉と野菜が一緒に食べられるのがいいな。ただ父さん嚙み合わせがあんまりよくないからな、えのきは嚙み切りづらいよ」
「なるほど。インゲンとかにしてもいいかもね。参考にしておくよ」
七穂はコートを脱いで手を洗うと、自分のぶんのおかずも冷凍庫から取り出し、レンジのスイッチを押した。
(歯の矯正やってる子も、えのきとニラが鬼門って言ってたな)
物は以前「KAJINANA」への依頼を受けて角田(つのだ)家にも作った、オーブンシートの作り置きおかずのアレンジだ。
ご飯とできあいの味噌汁、おかずだけというのも寂しいので、冷蔵庫に入っていた柿もむいた。終わる頃には、レンジの加熱も終了していた。一緒に食卓へ持っていく。
実家で久しぶりに父と食卓を囲む
「おお、貰おうか。いやあ、七穂が帰ってくると食卓が豪華になるな」
「私がいない時、どうやってご飯食べてたの」
「母さんと交代で簡単なものは作ってたけど、そう毎日手の込んだものは無理だよ。惣菜や店屋物ですますことも多くてな」
「ふうん……」
自分が出ていった後、両親がどういう暮らしをしているか、あまり考えたことがなかった。たぶんなんとかやっているだろうと、漠然と思い込んでいた。
ここで母の恵実子(えみこ)が一足先にリタイアしたら、良くも悪くも生活は変わるだろう。あくまで彼女の選択次第ではあるが。
(うん。ちゃんとおいしい)
たまには自分でも食べて、味を確認するのは大事なのだ。
続きは本書でお楽しみください!
5月8日発売予定!心を満たす料理満載の好評シリーズ第2弾!
竹岡葉月『石狩七穂のつくりおき 家事は猫の手も借りたい?』(ポプラ文庫ピュアフル)
https://books.rakuten.co.jp/rb/17838898/?l-id=search-c-item-text-01
心もおなかもやさしく満たされる好評シリーズ第1弾!
竹岡葉月『石狩七穂のつくりおき 猫と肉じゃが、はじめました』(ポプラ文庫ピュアフル)
https://books.rakuten.co.jp/rb/17550387/?l-id=search-c-item-text-01