毎日の健康のために知っておきたい「油」の種類と選び方を解説!
毎日の食事に欠かせない「油」。どうしても「高カロリー」「太る」というようなネガティブなイメージを持たれやすい油ですが、油は健康に過ごすためには欠かせないものなんです。
この記事では、油(脂質)の分類や体内での働き、毎日の料理に使いたい、おすすめの油についてご紹介します!
日々の食生活に欠かせない油だからこそ、質がよく身体にとってプラスになる油を選びましょう♪
油の大切な役割とその種類を解説!
ですが、油(脂質)は、体を動かすエネルギー源になるほか、栄養素の吸収を助けたり細胞膜やホルモンの原料になったり、私達の身体にとって大切な役割を担っています。
油の質は含まれる「脂肪酸」によって決まります。脂肪酸には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2種類があります。
■飽和脂肪酸
飽和脂肪酸は主に肉類や乳製品、パーム油などに含まれ、安定性が高く酸化しにくいという特徴を持っています。
飽和脂肪酸はエネルギー源になるほか、中性脂肪やコレステロールの原料になります。
とりすぎるとコレステロールが増え、生活習慣病に繋がってしまうため、摂取量に気をつけましょう。
■不飽和脂肪酸
不飽和脂肪酸は生活習慣病の予防など健康への働きが期待でき、質の良い油と言われていますが、とりすぎると肥満につながってしまうため摂取量には注意しましょう。
ちなみに、不飽和脂肪酸は一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分けられます。
一価不飽和脂肪酸にはオレイン酸があり、オリーブオイルに多く含まれています。
多価不飽和脂肪酸はn-3系とn-6系に分けられ、n-3系は魚油やえごま油に、n-6系は種実類や大豆油、植物油に多く含まれています。
多価不飽和脂肪酸に分類される「リノール酸」、「α-リノレン酸」、「アラキドン酸」の3つは必須脂肪酸と言われ、体内で合成することができないため、食事からの摂取が必要です。
大豆や魚油、えごま油などに多く含まれていて、血液中のコレステロールや中性脂肪を減らす働きが期待されています。
健康を維持するためには、極端に油を控えるのではなく、油の種類や質を選んで適量とることが大切です。
飽和脂肪酸のとりすぎに気をつけ、普段使いの油は不飽和脂肪酸を含む油脂類を選ぶようにしましょう。
おすすめの油(1)ダイエット向き!ココナッツオイル
飽和脂肪酸は炭素の数によって、長鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、短鎖脂肪酸に分けられますが、ココナッツオイルはエネルギー源として利用されやすい中鎖脂肪酸を多く含むことから、体脂肪になりにくく、ダイエットによいと言われています。
また、中鎖脂肪酸から作られる「ケトン体」が脳のエネルギーになるため、認知機能の改善が期待されています。
ココナッツオイルは夏の気温が高い時には室温で液体、冬は固体になりますが、飽和脂肪酸のため酸化しにくく、質が低下しにくいのも嬉しい特徴です。
普段使っている油の代わりとして、炒め物に使うこともできますし、トーストに塗ったり手作りのドレッシングやお菓子作りにも使えたりと、幅広く活用できるおすすめの油です。
おすすめの油(2)そのままかけてもおいしい!オリーブオイル
特に使いやすくおすすめなのは「オリーブオイル」です。
不飽和脂肪酸は酸化しやすいため、加熱せずそのままサラダなどにかけて食べるのがよいとされますが、一価不飽和脂肪酸のオレイン酸が主成分であるオリーブオイルは、酸化しにくいので加熱調理にも使えます。
また、オレイン酸以外に必須脂肪酸であるリノール酸やα-リノレン酸を含んでいるのもオリーブオイルの魅力です。
日本で食用として販売されているオリーブオイルには大きく分けてピュアオリーブオイルとエキストラバージンオリーブオイルの2種類あります。
エキストラバージンオリーブオイルは、ピュアオリーブオイルに比べて風味がよく味も良いため、料理にかけるなどそのまま食べる場合におすすめです。
オリーブオイル独特の風味が苦手な方や加熱調理に使う場合は、ピュアオリーブオイルを選ぶとよいでしょう。
また、オリーブオイルは容器にも注目して選びたい油です。
自然光や蛍光灯などの光によってオリーブオイルの酸化が進んでしまうため、遮光のビンや缶に入っているものを選ぶのがポイントです。オリーブオイルの酸化を防ぎ、品質の低下を防いでくれます。
おすすめの油(3)普段使いならこれ!こめ油
こめ油は米ぬかから作られる植物油です。
オレイン酸とリノール酸のほか、ビタミンEの含有量が他の油に比べて多く、さらにビタミンEの数十倍の抗酸化力を持つと言われるトコトリエノールなど抗酸化作用のある成分を含み、酸化に強く、美容や健康にもよいと言われています。
こめ油は独特な香りやクセが少なく風味も優しいので、どんな料理にも合わせやすく、素材の良さを引き立てる油です。
また、こめ油を使うと揚げ物もカラッと揚がり、油っぽさが少なくなることも嬉しいポイントです。
酸化しにくいので保存性に優れ、おいしさが長持ちすることも普段使いにおすすめしたい理由の1つです。
今回ご紹介した油を参考に、ぜひ、ご自分に合った油を見つけてみてくださいね。
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