《齋藤菜々子の体調を整える薬膳献立③》生理中の不調を和らげる献立レシピ
私は普段「今日からできるおうち薬膳」をモットーに、家庭ですぐに作れる薬膳のレシピをご提案しています。
今回ご紹介するテーマは「生理中の不調を和らげる献立」です。
生理に関する不調について、お悩みの方は多くいると思います。継続して付き合っていかなくてはいけないものだからこそ、普段の食事でなるべく不調が重くならないよう整えていきたいですね。
この記事では生理の不調について薬膳からみたプチ知識、考案した献立のおすすめポイントをご紹介します。
知っておきたい薬膳の基礎知識!生理中の不調にもアプローチ
本来薬膳の定義は「中医学(中国の伝統医学)の考えにのっとって、季節、体質、体調に合わせて食材選びをした料理」を指します。生薬が入っていることもマストではありません。
私たちはすでに、無意識的に薬膳ができていることもあります。例えば寒い日にはねぎを鍋に入れて熱々で食べたり、体力をつけたくてお肉を摂ったり。このような目的のある食材選びがされた食事を「薬膳」というのです。
生理にまつわる不調は人によってその重さは様々で、ちょっとくらいならと無理して耐えたり、薬で症状をおさえたりしても次の月にはまた繰り返します。これは根本的な改善にはなっていないためです。繰り返すのは、一時の不調ではなくそもそもの「体質」が原因となっていることがほとんどです。
生理の不調を整える食材を普段から取り入れて、生理まわりの期間を快適に過ごしましょう。
1日目:牛肉となすのしぐれ煮&ひじきの梅みそ煮
副菜は具沢山のひじき煮。梅干しの味がアクセントになり、保存性も上がるので作りおきにもおすすめです。
主菜に使う牛肉は血を作る食材。月経では血を多く失う上に普段から血が足りないと生理痛の原因になるので、意識的に摂るのがおすすめです。経血にかたまりが出やすい人は血の巡りが滞っている可能性がありますが、一緒に使うなすには血行を促進する働きがあるとされていますよ。
副菜のひじき、にんじんも血を作る食材です。貧血症状のある人、肌ツヤや血色のよくない方には、特に食べていただきたい食材です。
2日目:かつおのレアカツ&たまごサラダ
副菜はどんな料理にも合わせやすい、卵を主役にしたサラダ。覚えておくと便利ですよ。
主菜に使うかつおは血を作るもの。また、月経中は血の巡りをよく保つために、体を冷やさないことが大切です。かつおと一緒に添える生姜などの薬味にも「温熱性」と言って体を温める性質があります。
副菜の卵は血を作り、体を内側から潤してくれる食材です。肌や髪の乾燥、目が疲れやすい、爪が弱い、朝方に足がつるという方は血が不足しているサイン。血を充実させるためにも美容のためにも積極的に摂りたいですね。
3日目:豚肉とブロッコリーの黒ごま炒め&玉ねぎと大葉のナムル
主菜の豚肉は血を作り、エネルギーや体温の源となる「気」を補います。生理中、倦怠感がある方に特におすすめです。ブロッコリー、黒ごまは性ホルモンをつかさどる「腎」という臓を強めます。腎が不調になると月経不順や老化現象が表れるため、普段からケアしていきたい臓です。
副菜のたまねぎは血流を促進します。血流が悪いと、肌ツヤ、髪の状態も悪くなり、生理痛の原因にもなります。月経周辺で胸やおなかが張り、イライラしたり精神が不安定になる方には、たまねぎや大葉など香りのよい食材がおすすめです。
まとめ
多くの女性にとっては長く、毎月の付き合いである生理。少しでも快適に過ごしていきたいですね。
・第1回:《齋藤菜々子の体調を整える薬膳献立①》新生活の疲れやストレスを薬膳レシピで軽減!
・第2回:《齋藤菜々子の体調を整える薬膳献立②》梅雨のだるさや食欲減退の解消に役立つレシピ