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《齋藤菜々子の体調を整える薬膳献立③》生理中の不調を和らげる献立レシピ

7,215view 2024/06/26 14:00 健康・ダイエット
《齋藤菜々子の体調を整える薬膳献立③》生理中の不調を和らげる献立レシピ
料理家・国際中医薬膳師の齋藤菜々子です。
私は普段「今日からできるおうち薬膳」をモットーに、家庭ですぐに作れる薬膳のレシピをご提案しています。

今回ご紹介するテーマは「生理中の不調を和らげる献立」です。
生理に関する不調について、お悩みの方は多くいると思います。継続して付き合っていかなくてはいけないものだからこそ、普段の食事でなるべく不調が重くならないよう整えていきたいですね。
この記事では生理の不調について薬膳からみたプチ知識、考案した献立のおすすめポイントをご紹介します。

知っておきたい薬膳の基礎知識!生理中の不調にもアプローチ

以前の疲れ・ストレスを軽減する薬膳献立をテーマにした記事でもお伝えしましたが、薬膳は高麗人参やナツメなど特別な生薬が入っている料理のことだけではありません。
本来薬膳の定義は「中医学(中国の伝統医学)の考えにのっとって、季節、体質、体調に合わせて食材選びをした料理」を指します。生薬が入っていることもマストではありません。

私たちはすでに、無意識的に薬膳ができていることもあります。例えば寒い日にはねぎを鍋に入れて熱々で食べたり、体力をつけたくてお肉を摂ったり。このような目的のある食材選びがされた食事を「薬膳」というのです。
知っておきたい薬膳の基礎知識!生理中の不調にもアプローチ
薬膳は体質改善が得意分野です。なぜなら体を作っているのは「普段の食事」だからです。特別な一食を食べて体が変わることはありません。でも、毎日少しずつでも継続すれば必ず体は根本から変わります。

生理にまつわる不調は人によってその重さは様々で、ちょっとくらいならと無理して耐えたり、薬で症状をおさえたりしても次の月にはまた繰り返します。これは根本的な改善にはなっていないためです。繰り返すのは、一時の不調ではなくそもそもの「体質」が原因となっていることがほとんどです。

生理の不調を整える食材を普段から取り入れて、生理まわりの期間を快適に過ごしましょう。

生理中の体調を整えてくれる3日間の薬膳献立

生理中の体調を整える薬膳献立3日分をご紹介します。
献立・詳しいレシピはすべて楽天レシピ プレミアムサービスにて公開中ですので、よければぜひご覧ください。

1日目:牛肉となすのしぐれ煮&ひじきの梅みそ煮

1日目:牛肉となすのしぐれ煮&ひじきの梅みそ煮
主菜はフライパンで短時間で作るのに、味がよく染みてほっとする和の煮物です。長時間煮る必要がないため、湿気や気温が上がるこれからの季節にも気軽に作れますよ。旬のなすもぺろりと食べられます。
副菜は具沢山のひじき煮。梅干しの味がアクセントになり、保存性も上がるので作りおきにもおすすめです。

主菜に使う牛肉は血を作る食材。月経では血を多く失う上に普段から血が足りないと生理痛の原因になるので、意識的に摂るのがおすすめです。経血にかたまりが出やすい人は血の巡りが滞っている可能性がありますが、一緒に使うなすには血行を促進する働きがあるとされていますよ。
副菜のひじき、にんじんも血を作る食材です。貧血症状のある人、肌ツヤや血色のよくない方には、特に食べていただきたい食材です。

2日目:かつおのレアカツ&たまごサラダ

2日目:かつおのレアカツ&たまごサラダ
華やかな見た目でおもてなしにもぴったり。刺身用の柵を使い、揚げるのは表面の衣のみ。揚げ物初心者さんでもあっという間に完成します。衣付けも卵を使わず、手軽にザクザク食感に仕上げることができます。
副菜はどんな料理にも合わせやすい、卵を主役にしたサラダ。覚えておくと便利ですよ。

主菜に使うかつおは血を作るもの。また、月経中は血の巡りをよく保つために、体を冷やさないことが大切です。かつおと一緒に添える生姜などの薬味にも「温熱性」と言って体を温める性質があります。
副菜の卵は血を作り、体を内側から潤してくれる食材です。肌や髪の乾燥、目が疲れやすい、爪が弱い、朝方に足がつるという方は血が不足しているサイン。血を充実させるためにも美容のためにも積極的に摂りたいですね。

3日目:豚肉とブロッコリーの黒ごま炒め&玉ねぎと大葉のナムル

3日目:豚肉とブロッコリーの黒ごま炒め&玉ねぎと大葉のナムル
生理中の体調を整え、アンチエイジングも期待できる豚肉、ブロッコリー、黒ごまをたっぷり摂れる炒め物がメインの献立です。副菜はレンジ加熱で完成する簡単な一品。忙しい平日の夜でも手軽に作っていただけます。
主菜の豚肉は血を作り、エネルギーや体温の源となる「気」を補います。生理中、倦怠感がある方に特におすすめです。ブロッコリー、黒ごまは性ホルモンをつかさどる「腎」という臓を強めます。腎が不調になると月経不順や老化現象が表れるため、普段からケアしていきたい臓です。
副菜のたまねぎは血流を促進します。血流が悪いと、肌ツヤ、髪の状態も悪くなり、生理痛の原因にもなります。月経周辺で胸やおなかが張り、イライラしたり精神が不安定になる方には、たまねぎや大葉など香りのよい食材がおすすめです。

まとめ

数日、一週間など短期間での改善は難しくても、時間をかけながら体質改善できたら生理の不調はきっと解消されます。そのためには気負わずに、気を楽に、ゆるくでも「続ける、意識する」こと。まずは普段食べているものから。ご紹介した知識が、食材を選択するきっかけとなれば嬉しいです。
多くの女性にとっては長く、毎月の付き合いである生理。少しでも快適に過ごしていきたいですね。

この記事の作者

齋藤菜々子 さん
齋藤菜々子

料理家・国際中医薬膳師。日本中医食養学会・日本中医学院にて中医学を学び、国際中医薬膳師を取得。
「今日からできるおうち薬膳」をモットーに、身近な食材のみを使った作りやすいレシピにこだわり、家庭で実践できる薬膳を提案している。書籍・雑誌・企業へのレシピ提供、イベント出演など活動中。著書に「整いカレー」(文化出版局)などがある。

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