赤ちゃんこそ要注意!塩分のとり過ぎと「食塩中毒」の危険性
離乳食は「味付けをしない」または「薄味」が推奨されていますが、それには理由があります。
赤ちゃんの体は、食塩の排出をする“腎臓”の機能が未発達なため、とり過ぎると腎臓に大きな負担がかかります。また、食塩がうまく排出できず体内に過剰に蓄積されてしまうことで、腎機能低下や、重症になると「食塩中毒」を引き起こす恐れもあります。
赤ちゃんの味覚は大人に比べて3倍も敏感と言われており、大人が食べておいしいと感じる味付けは、赤ちゃんにとって高塩分です。離乳食が高塩分にならないよう注意しましょう。
食塩中毒とは?原因や症状
食塩中毒とは、食塩の多量摂取、または、食塩量に見合うだけの水分を摂取できておらず、体内のナトリウム濃度が高くなることが原因で起こる中毒です。
症状は、嘔吐や下痢、痙攣や硬直、その他にも発熱や成長不良、心不全や不整脈を引き起こします。
赤ちゃんは、
・食塩を排出する腎臓が未発達
・食塩の摂り過ぎで喉が渇いても、自力で水分補給ができない
ことなどから、大人に比べて食塩中毒のリスクが高いと考えられています。
NGな食材の例
離乳食では高塩分の食材を与えぬよう、選び方に注意が必要です。
ハム・ソーセージなどの肉加工品、かまぼこ・はんぺん・ちくわなどの魚加工品は、塩分や添加物が多く含まれるので離乳食では与えません。
味付け海苔や梅干し、コーンビーフ、いくらなどの魚卵、塩鮭や魚の干物も高塩分のため、離乳食には不向きな食材です。
また、そうめん・うどんは離乳食でよく用いられますが、塩分が多いため、やわらかく茹でた後よく水にさらして塩分を抜くようにしましょう。
赤ちゃんの正しい熱中症対策!塩水は飲ませる?
夏場は汗を多くかきミネラルを失いやすいことから、熱中症対策として「塩水」を飲むことがあります。しかし赤ちゃんには、多量の塩分を摂ってしまうため、絶対にNGです。
赤ちゃんの熱中症対策ポイントを確認し、正しく予防してあげましょう。
【ポイント】
・こまめに水分補給をする
母乳やミルク、湯冷ましや麦茶、離乳食などから、多めに水分をとるようにします。
・直射日光を浴びないようにする
帽子をかぶる、ベビーカーには日除けをつけるなど、直接日差しを浴びないようにし、気温の高い10時~14時のお出かけはなるべく避けます。
・室内温度は28℃以下に設定する
赤ちゃんが汗をかかない程度である28℃以下にし、遮光カーテンやすだれなどで日差しが当たらないようにします。
(テキスト: 管理栄養士 板垣 好恵)