喉越しのいいビールは、実は夏に向いていない!夏のイベントで脱水症になる危険性
ところが、喉越しがいいからといって冷たいビールばかり飲んでいると、脱水症になってしまう危険性があります。ビールは水分の多い飲み物なのに、なぜ脱水症の危険性があるのでしょうか?
脳梗塞や心筋梗塞になる人も
ご存知のとおり、ビールにはアルコールが含まれています。通常は抗利尿ホルモンという脳下垂体後葉から分泌されるホルモンが利尿の抑制をしていますが、アルコールはこの抗利尿ホルモンの活動を抑えてしまうため、必要以上に排尿してしまいます。
また、ビールはカリウムというミネラルを含みます。カリウムには余分な水分を排泄する利尿作用があるため、他のアルコールよりも水分を多く排泄してしまうのです。さらに、冷たいビールを飲むことで体が冷え、体温が低下し汗をかかなくなることによって尿の量や回数が増えることもあります。
こういったいくつもの要因が重なり、摂取する水分以上に水分を排出してしまい、急な脱水症状を起こしてしまうことがあります。脱水症状になると、頭痛・めまい・嘔吐などが起こる、血液がドロドロになって血栓という血の塊ができやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすことがあります。
アルコールを飲む際に、水分補給を忘れずに!
ではこのような脱水症を予防するためにはどうすればよいでしょうか。まずはビールを飲む前に充分な水を飲み、喉の渇きをうるおしておきます。そして、ビールを飲む合間には水やお茶を飲むなどをして水分補給をしましょう。このとき、緑茶やウーロン茶にはカフェインが含まれるので、麦茶やそば茶などカフェインを含まないお茶を選ぶようにしましょう。飲酒後も喉が渇いていたら脱水症状の現れですので、コップ1杯の水分やスポーツドリンクを摂取してから就寝しましょう。
このほかにも、血中アルコール濃度が高まることによって起こる、急性アルコール中毒の症状でも脱水が見られることがあります。脱水によって脳梗塞が起こるリスクがありますので注意してください。ビールだけでなくすべてのお酒にはアルコールが含まれるので、夏のイベントではアルコールによる脱水症に気をつけて楽しく過ごしてくださいね。
(テキスト: 桑原 典子)