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《齋藤菜々子の体調を整える薬膳献立①》新生活の疲れやストレスを薬膳レシピで軽減!

9,039view 2024/04/24 14:00 健康・ダイエット
《齋藤菜々子の体調を整える薬膳献立①》新生活の疲れやストレスを薬膳レシピで軽減!
料理家・国際中医薬膳師の齋藤菜々子です。
私は普段「今日からできるおうち薬膳」をモットーに、スーパーで手に入る材料のみを使って、家庭ですぐに作れる薬膳のレシピをご提案しています。

新生活を迎える人も多く、体も活発になりはじめる春は、薬膳では疲れやストレスを感じやすい時季。
この記事では薬膳のプチ知識、考案した献立のおすすめポイントをご紹介します。


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そもそも薬膳とは?薬膳は身近な食材で作れるの?

「薬膳」と聞いてみなさんどのようなイメージをお持ちでしょうか。高麗人参やナツメなど特別な生薬が入っている、火鍋や中国料理を思い浮かべる方も多いかもしれません。
しかし本来薬膳の定義は「中医学(中国の伝統医学)の考えにのっとって、季節、体質、体調に合わせて食材選びをした料理」を指します。つまり生薬も中国料理であることもマストではありません。

実は私たちはすでに、無意識に薬膳を取り入れられていることもあります。例えば寒い日にはねぎを鍋に入れて熱々で食べたり、体力をつけたくてお肉を摂ったり。このような目的のある食材選びがされた食事を「薬膳」というのです。
そもそも薬膳とは?薬膳は身近な食材で作れるの?
自分で作るのは難しく感じていた方もいるかもしれませんが、食材に栄養素があるように、薬膳では身近な食材にも様々に「作用」があります。なので特別な材料を集めなくても大丈夫。現代の日本に生きる私たちでも、家庭で充分に実践可能なものです。

薬膳のはじまりは、紀元前よりも前に古代中国の黄帝を生きながらえらせるための食事です。その昔、どんな病気を治療する医者よりも「食医(しょくい)」という食事を考える医者の位が最も高いとされていました。それほどまでに、体を作る、健康を維持するというのは、普段の食事にしかできない大切なことです。家庭料理を作る人は、家族やご自身にとっての食医であると言えます。

薬膳を取り入れたストレス軽減のための3日間献立

春先は慣れない新生活を迎える方も多く、体も冬を越えて活発になりはじめる季節です。すると段々と疲れも溜まりやすく、気持ちがストレスやイライラを受けて揺らぎがちに。
そんな体を整える、身近な食材で作る薬膳の献立を3日分考案しました。

疲れている日こそ食べてほしいので、副菜はすべて手軽にレンジ調理で完成します。

レシピはすべて楽天レシピ プレミアムサービスにて公開中ですので、よければぜひご覧ください。

1日目:豚とキャベツの炒め梅だれがけ&長芋とニラの塩昆布和え

1日目:豚とキャベツの炒め梅だれがけ&長芋とニラの塩昆布和え
疲れやストレスで食欲が湧かないときも、梅の味でさっぱりと食べやすい簡単おかずがメインの献立です。価格もお手頃なキャベツと豚こま切れを使います。

キャベツは胃の調子も整えるためストレスや疲労で食欲がおちやすいときにおすすめ。揚げ物によく添えられているのも、とても理にかなっています。
薬膳では豚肉は「気」を補うものとされ、疲労倦怠感やエネルギー不足を感じるときに摂るのがおすすめです。
「気」というのは、エネルギーの源のような存在。体力、体温、免疫力などに直結します。エネルギーの源となり元気な体を作ってくれますよ。

副菜のメインとなる長芋は山薬(さんやく)とも呼ばれ、実は生薬としても使われている食材。疲労倦怠感によい滋養強壮の食材です。たっぷりの香り高いニラと和えて、気の巡りをよく。
香りのよい食材は気の巡りをスムーズにするとされ、イライラやストレスの軽減が期待できます。

2日目:かじきのレモンバター焼き&セロリとにんじんのマリネ

2日目:かじきのレモンバター焼き&セロリとにんじんのマリネ
魚が苦手な方やお子様でも食べやすい、かじきの切り身を使った簡単な主菜がメインの献立です。

かじきまぐろは「肝」の働きを助け、気の巡りを良くします。肝は気の巡りのコントロールを担当している臓のこと。ストレスでイライラやため息が多い時、胸や脇腹に張りを感じるときは肝の働きが低下しているサイン。レモンなどの柑橘類も、気持ちをリラックスさせ気の巡りをよくします。オレンジやグレープフルーツも春先おすすめです。

副菜のセロリも気の巡りをよくし、マリネの酢のように酸味は引き締めの働きをもちます。酸っぱいものを食べた時にきゅっと口がすぼまるのと同じイメージです。イライラの気の乱れは頭部へと上昇しやすく、頭がカッとしたり張るような頭痛となるのですが、酸味がきゅっと引き締め、抑えてくれます。

3日目:鶏とトマトのカレー煮&ピーマンとちくわのごまみそ和え

3日目:鶏とトマトのカレー煮&ピーマンとちくわのごまみそ和え
フライパンひとつでさっと作れる、ごはんのすすむ鶏とトマトのカレー煮がメインの献立です。

トマトには平肝(へいかん)という作用があり、肝の動きを落ち着かせます。肝の働きのひとつに、気の巡りのコントロールがあります。ストレスを感じると肝が失調し、興奮してたかぶったような状態に。気は上昇を続けイライラしやすくなります。そんな肝を落ち着かせるのが平肝という働きです。副菜に使うピーマンにも同じ作用があります。

主菜のポイントとなるカレー粉は、数種のスパイスがブレンドされたもの。どのカレー粉でもベースとなるのはコリアンダー、ターメリック、クミン、唐辛子です。いずれも気の巡りをよくし、食欲を増進するのにもおすすめです。

まとめ

春先は気候の変化が激しく心がゆらぎやすい季節です。でも現代社会においてはストレスとの付き合い方は、春に限らずいつでも課題であるとも思います。
今回ご紹介した食材を頭の片隅に、心に違和感を感じたら、香りを楽しみながらぜひ食べてみてくださいね。

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この記事の作者

齋藤菜々子 さん
齋藤菜々子

料理家・国際中医薬膳師。日本中医食養学会・日本中医学院にて中医学を学び、国際中医薬膳師を取得。
「今日からできるおうち薬膳」をモットーに、身近な食材のみを使った作りやすいレシピにこだわり、家庭で実践できる薬膳を提案している。書籍・雑誌・企業へのレシピ提供、イベント出演など活動中。著書に「整いカレー」(文化出版局)などがある。

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