忠実に再現?昭和初期の海軍肉じゃが レシピ・作り方
材料(2人分)
- 牛肉(カレー用などのブロック肉) 150グラム
- こんにゃく 100グラム
- じゃがいも 2個(300グラム)
- たまねぎ 1/2個(100グラム)
- ごま油 大さじ1
- 砂糖 大さじ1
- 醬油 大さじ1と1/2
作り方
- 1 牛肉は荒っぽく一口大に切る。こんにゃくはスプーン等で一口大にちぎる(気になる方は下茹でして臭みを取ってください)。じゃがいもも一口大。たまねぎはごく薄く(重要!)スライスする。
-
2
【スタート】
フライパンにごま油を熱する。
ここからストップ・ウォッチをスタート。時間に合わせて食材を投入してください。
火加減はずっと弱火です(コツ参照)。 -
3
【3分後】
牛肉を炒める。
(弱火なのであまり混ぜなくて大丈夫。色が変わったら引っくり返す程度で) -
4
【7分後】
砂糖を入れる。 -
5
【10分後】
醬油を入れる。 -
6
【14分後】
こんにゃくとじゃがいもを入れる。
(ここで蓋をするといいですよ) - 7 (途中で一度蓋を取って、全体をよくかき混ぜる)
-
8
【31分後】
たまねぎを入れる。
(しっかり混ぜてください) -
9
【34分後】
完成! -
10
【肉じゃがの歴史】
東郷平八郎が留学先・英国で食べたビーフ・シチューを基に考案されたという説があり、東郷にゆかりのある京都府舞鶴市と広島県呉市が「肉じゃが発祥の地」を称しています。 -
11
当初は「甘煮」と呼ばれ、「肉じゃが」という呼称が一般的になるのは40年ほど前から。
ここでは1938年(昭和13年)刊行の「海軍厨業管理教科書」の「甘煮」のレシピを再現しました。 -
12
【昭和初期のレシピ】
(「海軍厨業管理教科書」舞鶴市のHPより)
■材料 生牛肉、蒟蒻、馬鈴薯、玉葱、胡麻油、砂糖、醤油 -
13
■所要時間
1.油入れ送気
2.3分後生牛肉入れ
3.7分後砂糖入れ
4.10分後醤油入れ
5.14分後蒟蒻、馬鈴薯入れ
6.31分後玉葱入れ
7.34分後終了 -
14
■備考
1.醤油を早く入れると醤油臭く味を悪くすることがある
2.計35分と見積もれば充分である -
15
【レシピ考察】
現代の一般的な肉じゃがの作り方と大きく違うのは①牛肉を長時間炒める②水を不使用③たまねぎをほとんど煮ない、という3点。
見た目もかなり違っていたのかもしれません。 - 16 ここでは、牛肉は薄切りではなく、ビーフ・シチューのように塊肉を使ったため、火を通すのに時間がかかったと考えました。衛生的にも、肉にはしっかり火を通すことを推奨していたと思われます。
-
17
水を使わないレシピなのは、船では真水が貴重だったからでしょう。
たまねぎはほとんど煮込んでいないことから、長ねぎのように薬味として使っていたのかもしれません。 -
18
こんにゃくも糸こんにゃくなどでなく、普通のこんにゃくだったと想定しました。
食材の分量については記載がありません。ここでは、栄養や食物繊維をしっかり摂れる分量を考えてみました。 - 19 ただ、最初に牛肉を長く炒めるレシピであること、また水兵たちの脚気防止対策として牛肉食が有効だとされていた史実を考えると、実はもっと牛肉主体のレシピだったのかもしれません。
-
20
【分量】
そんなわけで食材や調味料の分量はお好みで増減してくださいね。
きっかけ
タイム・スケジュールのような不思議なレシピ。ちょうど時代は映画「風立ちぬ」の頃。当時の状況を推察しながら作ってみました。 ずっと昔から家庭料理の定番だったみたいに思える肉じゃがだけれど、実は意外と歴史が浅いんだな。そんなことも思ったり。
おいしくなるコツ
火加減はずっと弱火です。元レシピは軍艦で調理するためもので、熱源はボイラーの蒸気だったそうです。十分に温まるまでに時間がかかるうえ、一気に大量の食事(例えば、戦艦大和なら乗員2500人)を作っていたので、加熱はゆっくりだったのでしょう。
- レシピID:1200007153
- 公開日:2013/10/09
関連情報
- カテゴリ
- 肉じゃが
- 料理名
- 肉じゃが
レポートを送る
2 件
当時の状況を思い浮かべながら作ってみるのも、また感慨深いものです。