忠実に再現?100年前の海軍カレー レシピ・作り方
材料(4皿人分)
- 牛肉(もしくは鶏肉)
- 200グラム
- にんじん【人参】
- 1/2本(100グラム)
- たまねぎ【玉葱】
- 1と1/2個(250グラム)
- じゃがいも【馬鈴薯】
- 1~2個(200グラム)
- 塩【鹽】
- 少々(かなりたっぷり目)
- カレー粉【「カレイ粉」】
- 大さじ2
- 小麦粉【麥粉】
- 1/4カップ(30グラム)
- 米
- 3合
- ■上記以外の材料■
- 牛脂【ヘット】
- 1かけら
- コンソメ(ビーフコンソメでも、コツ参照)
- キューブ2個(小さじ2×2)
- 水
- 600cc
- チャツネ
- 適量(1皿分に大さじ1~2ほど)
作り方
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- 隅付き括弧内(【】)は明治41年(1908年)発行の「海軍割烹術参考書」原文(ウィキぺディア「海軍カレー」より)
【材料 牛肉(鶏肉)人参、玉葱、馬鈴薯、鹽「カレイ粉」麥粉、米】
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- 米を研ぎ、水加減して、吸水させておく。
【初メ米ヲ洗イ置キ】
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- 30分~1時間ほど吸水させたら、コンソメ(1個or小さじ2)を加える。カレーの調理の進み具合を見ながら炊飯する。
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- 肉、たまねぎ、にんじん、じゃがいもをころころとさいの目切りにする。
【牛肉(鶏肉)玉葱、人参、馬鈴薯ヲ四角ニ恰モ賽ノ目ノ如ク細ク切リ】
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- フライパンに適宜油(分量外)を熱し、肉とじゃがいも以外の野菜(たまねぎ、にんじん)を炒める。肉の色が変わったら、一旦全部を取り出しておく。
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- 同じフライパンでじゃがいもも軽く炒める。やはり取り出し、肉やほかの野菜とは別にしておく。
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- 同じフライパンに牛脂を熱し、小麦粉を入れる。狐色になるまでしっかり炒り付ける。
【別ニ「フライパン」ニ「ヘッド」ヲ布キ麥粉ヲ入レ狐色位ニ煎リ】
注:「ヘッド」は「ヘット」の誤りか
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- カレー粉も加えて炒り合わせる。
【「カレイ粉」ヲ入レ】
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- 水を少しずつ加えて溶かす。コンソメ(1個or小さじ2)も入れる。
この段階では水っぽいですが、煮込むうちにちょうどよいとろみ具合になります。
【「スープ」ニテ薄トロノ如ク溶シ】
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- 炒めておいた5(じゃがいも以外の野菜と肉)を加える。15分ほど煮る。
【之レニ前ニ切リ置キシ肉野菜ヲ少シク煎リテ入レ】
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- 15分ほど煮たらじゃがいもも入れ、さらに10分ほど煮る。
【(馬鈴薯ハ人参玉葱ノ殆ンド煮エタルヲ入ル可シ)弱火ニ掛け煮込ミ置キ】
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- コンソメを入れて炊いたライスを皿に盛る。
【先ノ米ヲ「スープ」ニテ炊キ之ヲ皿ニ盛リ】
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- 11に塩を加えて味を調える。これを12のライスにかけたら完成!
【前ノ煮込ミシモノニ塩ニテ味ヲ付ケ飯ニ掛ケテ供卓ス】
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- チャツネを添えて召し上がれ。
【此時漬物類即チ「チャツネ」ヲ付ケテ出スモノトス】
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- ちなみにここで添えているのは「食べきりサイズ♪お手軽りんごチャツネ」(レシピID:1200007184)です。
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- ●海軍カレー●
インドを統治していたイギリス経由で日本にカレーが入ってきたのは幕末期。当初は高級料理でした。
しかし20世紀初頭、軍隊食に採用され、多くの兵士が口にしました。
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- カレーの美味しさに目覚めた元兵士達がそれぞれの地元でカレーを食べるようになり、全国に広まったとも言われています。
ここでは「海軍割烹術参考書」のレシピを再現してみました。
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- ただ、昔の硬い米は研いだ後ざるに上げ、わざとひび割れさせて吸水させたそうです。そういう現代にそぐわない作業は省き、フライパン一つで作れるよう、肉や野菜を炒める順番は変えています。
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- ●姉妹レシピ①●
☆歴史ロマン☆日本最初のカレー(ID:1200000632)
明治初期(140年前)のレシピ。ねぎで煮込む不思議カレーです。
(歴史ロマンレシピはほかにもあり)
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- ●姉妹レシピ②●
忠実に再現?昭和初期の海軍肉じゃが(ID:1200007153)
昭和初期(80年前)のレシピ。やはり肉じゃがも軍隊食に採用されたことが普及に一役買ったようです。
おいしくなるコツ
食材の分量はお好みで増減させても(原文には記載がないので)。
ここではコンソメを使いましたが、ブイヨンなどのスープがあれば、米を炊く時(手順3)と炒った小麦粉をのばす時(手順9)に加えてください。
きっかけ
食材の切り方、調理の進め方など、できるだけ原文に忠実に再現してみました。
どこか懐かしさが漂う優しい味のカレーです。