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《小田真規子の健康をつくる献立③》ヘルシーで美味しい!夏の減塩おつまみ献立

料理研究家の小田真規子です。基礎調味料を使って素材の個性を生かし、健康に配慮した、シンプルで作りやすい料理をご提案しています。

今回のテーマは「減塩なのにしっかり美味しいおつまみ献立」です。減塩というと味気ない・物足りないイメージを持たれる方も多いのですが、お酒のおつまみとしても楽しめるよう、辛味や酸味を適度に生かした、メリハリのある味わいの献立をご提案します。

旬の夏野菜をたっぷり使い、暑い夏でも簡単・短時間で作れます。さらに、従来の減塩料理にない満足感を感じていただけるよう、味わいを工夫しています。

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物足りなさを感じない!おいしく減塩する工夫やコツって?

厚生労働省が推進するスマート・ライフ・プロジェクト「健康日本21」の「減塩指針」では、1日の塩分目標は男女平均7.0gです。それが現状の調査では、約3gオーバーしています。
これは1食につき、塩で1g、醤油なら小さじ1、味噌であれば大さじ1/2の減量が求められるということ。それくらいの減塩なら簡単なようですが、日常に溢れる様々なおいしい調味料が、それを難しくしているかもしれません。

夏は大量の汗をかくので塩分の補給も大事とはいえ、塩分は摂りすぎてしまうと、腎臓の水分代謝のバランスが崩れ、血液量が増えて血管に圧力がかかります。この高血圧の状態が、様々な疾病の引き金になると言われています。

そこで、夏の減塩は、「減らしすぎず、摂りすぎない」ための工夫が大切になります。塩分が多くなりがちな汁物や煮物を避け、少ない塩分でも味を感じやすい「揚げる」か「焼く」調理をおすすめします。
今回考案した献立は、主菜と副菜の味わいにもメリハリをつけ、特に副菜の塩分を減らすようにしました。こうして全体の塩分総量を1献立、1人分2.0g以下、つまり1日6.0g以下に抑え、しかもおつまみにも向く味わいをご提案します。

夏の晩酌をヘルシーに楽しもう!3日間の減塩おつまみ献立

素材を香ばしく揚げたり、焼いたり、身近なスパイスや酸味を活用したりすることで、減塩でもおいしくお酒が進む献立をご紹介します。
トマトやきゅうりなど夏野菜のおいしさも生かした、夏に嬉しい冷たさやさっぱり感のある健康的なおつまみメニューは、全てのレシピを楽天レシ ピプレミアムサービスで公開中です。

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1日目:鶏もも肉とかぼちゃの唐揚げ&長ねぎとトマトのマリネ

ビールやハイボールには揚げ物が一番!また「揚げる」という調理法は、素材の水分が適度に抜けて旨味が凝縮し濃くなることで、加える塩分量を抑えられるため、減塩にはうってつけです。

メインの唐揚げは、鶏肉とかぼちゃを食べ応えのあるサイズに大きく切って、塩味をつけずに揚げ、お酒が進む「のり塩味」を絡めるだけという簡単さです。「これが減塩?」と思えるほど、味わいの満足感は保証付き。しかも、小さめのフライパンで少ない油量で揚げるため、「揚げ物は面倒」という気持ちも一気にラクになります。

副菜は電子レンジで作る超簡単マリネ。カリっとした歯ごたえのから揚げと、長ねぎとトマトのトロっとした食感のマリネの組み合わせが飽きずにいただけますので、お酒がつい進みすぎないよう気をつけてくださいね。

2日目:生鮭とトマトのパン粉焼き&かぼちゃのカレーマヨサラダ

辛口の白ワインにおすすめしたいパン粉焼きを主菜にした献立です。

パン粉焼きは、減塩に向く「揚げる」と「焼く」調理の、いわばいいとこ取り。にんにく風味にした生鮭を、片面だけパン粉をつけてカリッと焼くので、フライとソテーの食感が同時に楽しめます。付け合わせに旬のトマトも一緒に焼いて、崩して濃厚なソースにして味わえば、気分はビストロ!

これに添えるかぼちゃのサラダは、バゲットの代わりに旬のきゅうりをディップにして、低カロリー、低塩分でヘルシーにいただきます。塩分控えめでも、チーズの香りやスパイシーなカレーの風味が引き立ち、男性にも十分満足していただける献立です。

3日目:鶏と椎茸のつくね&アボカドときゅうりの海苔わさび醤油

冷酒や焼酎の水割りに合わせるのは、食べやすいつくねと、ピリッとわさびの効いた和え物です。

メインは、きのこの中でも旨味と香りがダントツのしいたけを刻んで鶏つくねに加え、低温からじっくり火を通して香ばしく焼き上げることで、ジューシーで旨味たっぷりの味わいに。ぶつ切りのねぎを一緒に焼いて、焼き鳥屋さんで味わう気分で一杯どうぞ。

副菜はわさびを効かせたアボカドときゅうりに、旨味の濃い海苔をちぎって和えることで味がまとまり、塩分控えめでもお酒が進む味わいに。わさびや七味などの和風の辛味や海苔の旨味を生かすことで、減塩料理でも美味しくいただけます。

最後に

味気ない、計量が難しいのでは…といったイメージの減塩料理も、工夫次第で、簡単でおいしく手軽なものに。

まずは「揚げる」、または「焼く」ことで、濃縮した旨味や香ばしい香りを実感していただき、塩分控えめでも満足感のあるメニューを味わっていただけると嬉しいです。
「減塩は素材そのもののおいしさを味わうことに効果的」だと体感していただけると思います。
【参考文献】
・厚生労働省 健康日本21(第三次)について ~栄養・食生活関連を中心に~
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001122156.pdf
・厚生労働省 自然に健康になれる持続可能な食環境づくりの推進に向けた検討会報告書 参考資料
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000911750.pdf
(参照日:2024.07.25)
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このテーマの作者紹介

小田真規子

料理研究家、フードディレクター、栄養士。
身近な食材を使い、健康に配慮した栄養バランスが整うレシピを数多く発表。誰もが作りやすく、簡単でおいしい料理に定評がある。テレビ、雑誌、Webのほか、企業のレシピ開発やメニューアドバイスに多数携わる。著書は120冊を数え、『The基本200』(オレンジページ)は15年超のベストセラー。

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